シリウスのかけら
「シリウスのかけらを?」

「ああ。だが、その時はまだ、それがどういうものかわからず、ただ美しいからと、持っていたらしい」

「宝石みたいだもんね」

「桂がその石の威力に気がついたのは、池田屋事件の難を逃れられた時だ」

「威力?」

「ああ。あの日、桂も池田屋に行くはずだった。行けば当然、吉田稔麿同様、新選組にやられてただろうな」

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