シリウスのかけら
「それは、明治に入ってしばらくしてから、シリウスの輝きの力が落ちたって言ってる学者がいることを、桂小五郎は知ったんだ。シリウスの光はエジプトのピラミッドに眠る王の棺を精巧に積み重ねてある石の隙間をぬって、一直線に照らしてるらしいんだけど、その明かりがある時、弱くなったらしいんだ」

「へぇ〜」

「そして、学者が言ってるその弱くなった時と、それが、桂小五郎がその石を拾った時期と一致するんだ」

「ってことは、本当にこれは、シリウスのかけら…」

そう呟いて、里乃はお守り袋を握りしめた。

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