シリウスのかけら
里乃は門の前に立って、その横の向こうの方に国会議事堂が霞んでる。

「いくよ〜」

ああ、結構、人が邪魔。
あれ?

「涼子ぉ、撮ったぁ?」

「あ、今から。いくよぉ、はい、ポーズ」

カシャ。

「んじゃ、今度は、涼子ね。カメラ貸して」

「里乃ぉ」

「ん?」

「気のせいかもしれないんだけどさ」

「何?」

「なんか、さっき国会議事堂で見たような、黒服が多くない?」

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