シリウスのかけら
なんか、私たちを囲んでるらしき、その暴力団関係の方々の輪が、だんだん小さくなって、こっちに寄ってきてるような気が…。

「逃げよう」

って、里乃。

「何処へ?」

ああ、もうちょっとで道路に出ちゃうよ。

「あっ」

新谷さんっ、いたっ!!

「あっ」

里乃も気づいたみたい。

横断歩道の向こうの木陰に新谷さん、確認っ。
『来い』って、新谷さんが目で言ってる。
私の腕を里乃が、ガッと掴む。
わかってるって。

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