桜田くんの第一ボタン
「……ね、咲良は告らないの?」
「こ、こくっ⁉︎」
思わず大きな声を出してしまい、みんなが一斉にこっちを見てくる。
千果ちゃんにも「ばかっ」って言われちゃった。
そっと目を向けると……う、桜田くんにも見られてた。
ぐるんっと首の向きを変えつつ、恥ずかしさで頬が赤くなる。
隠すためにうつ伏せになると、千果ちゃんに笑われながらもよしよしと頭を撫でられた。
「告白、は。できないよ……」
「どうして」
「死んじゃう」
「は」
「好きすぎて無理ぃっ」
目も合わせられないのに、告白なんてできない。
桜田くんを想うだけでこんなにも苦しいの。
成功しても失敗しても死んじゃうもん。
「ソウデスカ」
顔を上げてみれば冷めた瞳をした千果ちゃん。
わたしは真面目に言っているのに……!