桜田くんの第一ボタン




「でもわっかんないなー。
なんで大人しいあんたが桜田なんかのことを好きなのか」

「なんかって……」



千果ちゃんにかかったら女の子に人気のある桜田くんも形無しだね。



素直な彼女の物言いはたまにきつく感じちゃうけど、ひとつもうそがないから安心する。

とはいえ、すごい言われよう。



「なんかだよなんか。
あたし、あんな口数少なくて冷たい男無理だわ。
沈黙とか苦手だしー」

「桜田くんは冷たくないよ⁈」



さっきほどじゃないけど、また声が大きくなっちゃった。

わたしは何回同じミスを繰り返すの。



「……頭大丈夫?」



ひ、酷い!

しかも彼を冷たくないと言ったことか、わたしのばかな行動かわからないじゃない。






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