桜を見ると、思い出す。
あの日、きみにこの気持ちを伝えられなかった。
勇気を振り絞って貰ったボタンは、今も制服の内ポケットから手放せないまま。
桜が散ったら、きっと、忘れられると思っていたのに。
「好きって言いたい────」
ずっと怯えて、逃げていたけれど。
それでも、あの人から勇気をもらったわたしはもう、きみに会いに行ける。
きみとわたしをつなぐ桜がなくても、道にある、春を辿って。
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すきな人にすきって伝えたい。だから、駆け出した。
とても甘酸っぱくてピュアな恋が、ここにあります。
青春真っ只中の方もそうでない方も、ぜひ、ご一読を*