君へ-実話をもとにした恋物語-
「なー!」

「なに?」

厚児は机に顎をおいて上目遣いで話し始める。

今はお昼休みでみんな体育館かグラウンドで仲良く遊んでいる。

おにごっこ。氷おに。けいどろ。一輪車。竹馬。中には教室のなかで「らくがきちょう」と書かれてある真っ白なノートに目が痛くなるくらいこまかく迷路を書いてる男子もいた。

黒板に好きな人やアイドルの名前を書いては顔を赤らめてる人

明日の給食はなにかなと、壁に張られている献立表をまじまじと眺める人

「杏香色黒っ」

いきなり厚児は嫌味を言い出す。

カチン


なんやと???!!

「うっさい!!子供なんだからいーの!!だってプールいったもん」

温室野外プール

私たちの家族は先週温室野外プールに行ったばかりだ。

たぶんあれが原因で焼けてしまったに違いない。

「俺より黒いじゃん。」

「もぉ!!」

小さい男子は女子がいやがってるのを見て面白がる。なんてよく言うけどきっとこれもそのパターンなんだろう。

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