男子校の生徒会長
転校と新たな生活
転校と新たな生活


「千里、そろそろ転校しない?」
お母さんが私に向かって言う。
「は?転校?そんなんできたら苦労しないし。」
私がこんな口調になったのもだ
イジメ
が理由。
「だから、苦労しないように転校しようよ。」
「転校したって、女子がいたら変わらないだろ?」
女子・・・・
それが私にとってのタブーだ
女子が怖い。女子が嫌い。だからといって男子なんか・・・・興味もない。
それが今の私だ。
前は男子がいれば女子に意地悪されても学校通えたんだ。だけど、中学になって、女子校になってからは誰も助けてくれない。
その頃から感情っていうのがわからなくて、女子が怖くて怖くて仕方なくて、表の笑顔と裏の顔を知ってからは、話しかけられてもうまく答えられないようになってた。
小学校のとき、よく先生に女の子のお友達を作りなさいって言われた。
作れたらどんなに楽だろう。そもそも、女子ってなに?友達って?
どんどん分からなくなってしまった。
「・・・と、千里?聞いてるの?」
「な、なに?」
「ここにしましょう?共学みたいだし。」
「いいんじゃん?」
そのとき、珍しくお父さんが帰ってきた。
「おかえり。父さん」
「只今千里。」
「な、なにかあったの?こんな早くに」
お母さんが聞いた。
「千里、お前にはこの学校に転校してもらう。」
指さされたのはお母さんが言ってた共学?
「どうしたのさ。そんな急に」
「おじさん分かるよな?」
「健二おじさん?」
「そうだ。あいつがやってる学校なんだよ。それでもう手続きしてきた。」
「は?って、ちょっと待てよ。手続きしてきたって何?」
「転校が決まったんだ。明日からな。全寮制だから安心しろ。ほら、荷物まとめろ」
「おい、父さん!」
「なんだ?なにかあんのか?」
「鞄は?制服は?」
「あー。明日は私服でいいらしいぞ。」
「はー?」
「わかったら支度しろ。」
「は、はい。」
私は自分の部屋に上がる。
「どゆことだ?」
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