男子校の生徒会長
金髪・・・・確かにチャラい
「・・・別に。興味もない。」
「クールだねー。あ、俺、結城蓮斗」
と、茶髪。
「で、誰が私と同じ部屋の人?」
「俺。」
一際声の低いやつが言う。
「俺、一條柊真」
「よろしく。」
「荷物置いてあるベッドがお前の。中身は見てねーから安心しろ。それから、俺ら生徒会のメンツね。会長さん。」
「は?四人しかいないわけ?」
「あー。ほかの棟にもいるよ俺らみたいな奴ら。でも、クラスごとに権力違うから。俺らが幹部ね。ついでに俺が副会長。」
「ふーん。」
「クローゼットに制服入ってっから。」
「ありがとう」
みんなは、私がお礼を言うなんて思ってなかったらしく驚いていた。
「じ、じゃあ、柊真、あとでね。」
「あぁ。」
「会長も、あとで、迎えに来るからね。」
会長って言われたのにちょっとムカついた私は、
「会長って呼ばないでくれない?名前、あんだよね。私にも。」
そう言われたのに驚いた蓮斗が
「な、名前で呼んだら・・・・怒るでしょ・・・・?」
と聞いてきた。
「どのみち私はあんたらと暮らさなきゃいけないわけだし名字で呼ばれるのも、会長って言われるのもなんか嫌なんだよね。別に怒らないけどさ。」
「じ、じゃあ・・・千里・・・って呼んでいいの?」
「いいんじゃん?」
「俺らのことも下の名前で呼んで」
「わかった」
ご機嫌になった彼らは、
「じゃあね」
と帰っていった。っていっても隣の部屋だけど。
「始業式・・・何時から?」
柊真に聞く。
「2時」
「今何時?」
「1時半」
「え?うそ」
「嘘じゃない。時計見ろバカ」
「・・・・制服着る。向こう向いてて」
「早くしろ」
クローゼットから制服をとる。あれ?
「な、なんで制服2個あんの?!」
「あ?」
「セーラー服?!ブレザー?!なんなのこれ?!」
「好きにすりゃいいじゃねーか」
「うるさい!!」
携帯を取りおじさんに電話する。
「もしもーし。」
「ちょ、ちょっと、健二おじさん!!制服どっちきればいいのさ?!」
「千里ちゃんかー。なになにー?あー。それねー。どっちでもいいんじゃない?俺としてはセーラー服着て欲しいけどねー。」
「わかった」
すぐに電話を切る。
「健二おじさんって誰だ?」
柊真が聞いてくる
「えっと、理事長」
「へー。」
ってか、コイツいやにクールだな。
「着替える!だから向こう向いててよ。」
「わかったよ。早くしろよな。」
私は迷わずブレザーを取る。
そして、すぐに着込む。
「・・・・終わったよ。」
「おう。」
そして、こっちを見る。何故かアイツは止まる。
「何?似合わないって言いたいの?」
「別に」
私から目をそらし、アイツは・・・・脱いだ。
へ?なんで、ここで脱ぐんだこのバカ。
などと思いながら、自分のベッドにダイブする。
「お前。パンツ見えるぞ」
あいつがつぶやいた一言にハッとする。
だけど、何も聞かなかったことにして、そのままベッドにうつ伏せになる。
「おい。聞いてんのか?」
「何?」
「別に」
外から声が聞こえる。
「来たよ。あの人たち。」
「蓮たちのこと?」
「他にいるの?」
「いねーよ。」

外から大声で呼んでいる。
「千里ー!柊真ー!」
「行くよーー!」

「ったくあいつらはうるせーな。お前鍵忘れんなよ。」
「わかってる。」
「お前・・・・なんで俺と目を合わせようとしねーの?」
・・・・そりゃさ、ズボン履き替え用としてる奴見てどうなんだよ?
「もしかして、お前、処女?」
「・・・・バカ?」
「あ?」
「当たり前でしょ?」

相変わらずあいつらは、外から呼ぶ。
「ちさーとー!とーまーー!」

やっと着替え終わったコイツと出ていく。
「もう!遅いよ!柊真!」
あー。コイツが遅いのはいつも通りなんだなー。なんて思いながら、着いていく。
「千里、今日は挨拶あるからよろしくね!」
「うん。」
「みんな千里のこと見るんだよな?蓮斗!」
「そうだけど?拓人。どうした?」
「絶対、狙われるよ!どうしよう・・・・。」
ね、狙われる?どーいうこと?・・・・何だこの不安・・・・

「千里。これ。その上から着ろ。」
「なにこれ?」
「生徒会の証の、マント」
「着るの?」
「早くしろ。お前らも着ろよ。」
「ハイハーイ。」

今思ったけど。こいつら、かなりのイケメンじゃね?
なんだ、この共学の王子様キャラは・・・・。
「ハァ」
ついつい出たため息にみんな気付かずにいた。

そして、とうとう学校に着いた。
「講堂だよね?」
「あぁ。行くぞ。」
柊真に、手を引かれて歩く。
ドアを開けた蓮斗に微笑まれて、中に連れ込まれた。
途端、「女だー!」
「超美人じゃね?」
「彼女にしてー!」
などという野蛮な言葉に溢れ返った。
イライラは増していく。

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