男子校の生徒会長
壇上に連れていかれ、後ろにある席に座らせられる。
おじさんがこっちを見て微笑んだ。
「これから、始業式をはじめる。まずは、新しい仲間、転校生の紹介をしよう。
ここにいる女の子だが、私の姪の三浦千里だ。彼女はE組の生徒として転校してきた。
それから、生徒会長の就任式を行う。今期の生徒会長は三浦千里にやってもらう。千里。挨拶を頼むよ。」
「はい。」
私は前に歩いていく。マイクを手にした瞬間質問のやじに包まれる。
めんどくさい。
「ちょっと黙ってくんない?」
ものすごい冷めた声で、みんなに向かって言う。
しーーーん
「あのさ、うるさいやつ嫌いなんだよね。見ててイライラするってか、なんかさ、バカっぽくてさき。だから、黙って?話聞けないなら、帰れ。そんな奴らに話す事なんて無いから。」
そうすると、何故かみんなはこっちを向いて黙っている。

「話すことなんて特に無いんだけどさ、私の機嫌は損ねないでね。こっちも疲れるし、キレんのめんどいから。」
そのたった一言でみんなは息を呑んだみたい。
「じゃ、これで終わりね。期待させてごめんね。」
すると、「質問でーす」
と声が上がった。
ものすごいムカつくようなやつだった。
「彼氏いますかー?」
「……その質問には答えかねる。なぜなら、私は男に興味がないからだ。」
「彼氏作りたいと思いませんかー?」
「残念だが思わない」
「スリーサイズは?」
「覚えてない。」
「チャラ男は好きですか?」
「その質問は良く分からない。」
「男装したことはありますか?」
「ある。」
「どうしてこの学校にはいったんですか?」
「……その質問には答えかねる……」
困った私は柊真をみる。彼はため息を一つついて私のところに来てくれた。
「生徒会長への質問は以上だ。」
「最後にもう一つ!」
「誰の部屋ですか?」
「……」私は黙る。
柊真は困ったようにしたが、すぐに戻り、
「俺の部屋だ」
と言った。
「えーーーー!」
大ブーイング。
柊真が困ったようだったから、私は助け舟を出した。
「キレられたい?」
とてつもなく冷たい声に会場はしーんとする

「解散だ。」
おじさんの一言に皆は席を立つ。

「千里。戻るぞ。」
柊真に言われ、帰路に着く。
……疲れた。
「大丈夫?」
みんなに心配された。
答える余裕がないくらいにつかれた。
「おい。 」
「……」
「おい。聞いてんのか?」
「何?」
「疲れたか?」
「うん。」
「蓮斗、拓人。お前ら俺んとこよらずに戻れ。コイツ疲れてるみたいだから。」
「わかった。」
ん?なんか、二人ともニヤニヤしてる?
部屋の前に着き、じゃあね。と言われて別れた。頑張れって言われたのはなんだったんだろうか?
部屋の中に入ると、
なぜか柊真にベッドに追いやられる。
「お前は少し寝とけ。疲れてんだろ?」
「何?」
「俺が優しくすんのが意外か?」
「まぁね。」
「安心しろ晩飯できたら起こしてやる。」
「わかった。ありがとう。」
ウトウトしてきたからとりあえず素直になっとこう。
そして、私はベッドに入る。
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