スカイ×ブルー





――それは中学生の時の事。

『転校生を紹介するぞー』

『一戸 萌です。 ヨロシクお願いします』

中学に入って初めて自分のクラスに来た。
『じゃあ空いてる、神道の隣で』

ゆうさんの声と共にその女は輝に近づいた。

『ヨロシクね。 神道くん!』
屈託のないような笑顔の仮面を被った彼女はどんな理由の為に近づいたのか未だ分からない。

『ああ』

空を見上げ、目を合わせる事なく輝は応えた。


――――――――――




『お前らの学校の転校生可愛いな!』

どこから入手したのか不明な携帯画像を見つめながら隼人は応えた。

『アイツ、輝の事狙ってるだろ。 輝がどう出るかだよな』
慣れたように隼人をスルーし、蓮は口を綻ばせた。 まるで他人事のような態度に苦笑する。

『でも輝は興味ないだろ』

小学校から輝と一緒だけれど、輝が女の子に興味をもった所なんて見た事ない。
モテていたけれど、輝の性格を知って皆どんどん離れていく。


輝はよく、人の弱さを知っているんだと思う。


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