スカイ×ブルー
私は噴水から出て、Tシャツの下の部分を絞った。
雑巾のように溢れ出る水。張り付く衣服が気持ち悪い。
「てめぇ!! 何すんだよ!!!!」
ご立腹の輝くん。
君も私と同じ事したんだよー?
「お返しだよ」
私は輝にあっかんべーで返してやった。
輝に舌打ちされたのは言うまでもない。
怒られるのも想定内。
思った事が顔に出てしまう輝を見て自分が虚しくなる。
あたしに居場所をくれた人の幸せを応援出来ない。
一戸さんを思い出に出来ていない輝を見れば、今も少しは引きずっている事は分かる。
それを見て見ぬ振りをする自分の愚かさに嘆く。
ごめんね、輝。
この一言しか言えないや。