スカイ×ブルー
暗いの夜道を輝と2人で歩く。 優しい寒さが体全体を包みこむ。 雲の隙間から暗い青色の空が覗き込んでいた。
人の足跡に感知したからか、目の前を通ると機械音を上げだした自販機。
2人の間を割るように入って来た自転車。
右斜めにある家の前に黒猫が座りこちらを見つめていた。
「あっ」
一言そう呟き、輝は一瞬だけ立ち止まった。
「なに?」
「お前、親に連絡しなくて大丈夫か? さすがに心配するだろ」
街頭がはっきりと輝の顔を照らしてくれた。 周りが暗いせいか昼間よりもはっきりと顔が見える。
一瞬返事に戸惑ったけれど、隠し通せるはずもない。 打ち明ける事程楽になるものはないだろう。
「あたし親いないから」
俯きをやめ、再び顔を上げるとさっきと何ら変わらない表情の輝がいた。 返事に困っているのか何も口にしない。
その話をされ戸惑う人の姿を今まで幾多に目にしてきたから、輝もそうなのかな、と思うとちょっと笑そうになった。