スカイ×ブルー
次の日、マンション前に止まった紫色のマセラティに乗り込む。
「おはよ」
扉を開けてくれた聖治と、輝に挨拶した。
朝やってきた着信音がアラームとなり目が覚めた。 その着信から30分経った現在。
昨日の‘‘またな”は明るい再会の‘'またな”だったらしい。
「12月23日クリスマス暴走するぞ」
一言、輝はそう言った。
23日、クリスマスのイブのイブ。 クリスマス当日とかよりは人が少ないからね。 チームへの被害を最小にする為なんだろうな。
「あたし参加していいの?」
「目輝かせるな。 単車はだめだけど」
久しぶりの暴走につい浮かれる。 後1ヶ月半ぐらいあるけれど。
「単車後ろに乗るのは?」
返事は想定済みだけど一応、恐る恐る聞いてみた。
「ダメだ。俺はお前を守るって約束したんだ。 何かあってからじゃおせぇんだよ」
窓から外を見ながらたんたんと輝は言った。
・・・地味にすごい恥ずかしい事言ったよね?
つい俯き、零れそうな笑みを隠す。
不意打ちすぎるんだよ。
ってか誰に言ったの?
淡い疑問を頭の隅に追いやり、心地よい振動に揺られながらシートに背中を任せた。