スカイ×ブルー
「蝶愛ちゃん、今度お買い物行かない?」
あの図書室で会った日から度々茜ちゃんはあたしのクラスにやってくる。 トオルに許可をもらったらしい。
お昼をパスし、自分の席で雑誌を読んでいたあたしに隼人の席に座った茜ちゃんが話し掛けた。
いつも豹牙のメンバーがいない時に茜ちゃんは話しかけてくる。
お兄ちゃんが暴走族の総長だから友達が少ないのだろう。 あたしが言える事ではないけれど。
でも明るくて気さくな茜ちゃんが羨ましかった。
「お買い物?」
「クリスマス近いでしょ? 蝶愛ちゃんは豹牙の皆にプレゼント買わないの?」
クリスマスで1ヶ月以上あるけどなぁ。
プレゼントなんて考えた事なかった。 お世話になっているお返しがしたいとは思っていたけれど、思いっきり忘れてた。
「買う・・・買わないと」
雑誌を膝に置きボーッと斜め下をむいていた。
「ねっ! 決まり! 今週の土曜日ね」
雑誌を持っていた両手を掴まれ2人の顔の前に上げられた。
屈託の無い笑顔に断る気も起こらなかったし、内心嬉しかった・・・。
でも課題が1つ。