スカイ×ブルー
『グハッ・・・・・』
口から血を吐く男。
男の返り血を浴びた女は悲鳴を上げ駆け寄り涙を流す。
女を庇って刺された男に、伝説と呼ばれた面影は無に等しかった。
『えっ・・・・
豹っ!豹!!!!!!!
ダメよ!?
死んじゃダメよっ!!
ひょ・・・ひょ・・・う・・・。
ごめんなさい、ごめんなさいっ・・・お願いだから・・・
・・・・・・死なないで・・・・」
「ゲホッ・・・。
ハァ、ハァ・・・・ハァ・・・。
けっ、結構いてぇ・・・、な・・・。
お、れは・・・大丈夫だ、ハァ、ハァ・・・から・・・。
愛、那・・・逃げ、ろ・・・」
女はハンカチを取り出し男の傷口に当て、傷口付近を圧迫し血が出るのを抑えた。
彼女にとって今出来る最善の応急処置だった。
倉庫の扉は鍵をかけられ、扉と二人の間には四代目。
助かるには・・・
男を助けるには、四代目を倒す他なかった。
「豹をっ!!豹をお願いだから助けっ・・・うっ・・・」
またもや聞こえる鈍い音。
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女が顔を上げ立ち上がった瞬間、四代目は刺したのだ。
『豹牙にお前が入った時から、お前が好きだったよ・・・。
でもお前はアイツの女になり子供まで作ったぁ。
助かるハズねぇだろぉぉ・・・?』
薬で目が虚ろになりながら不気味な笑みを浮かべる四代目。
『あん、たなんて・・・
あんたなん、て・・・
ゆっ許さなぃっ・・・・・!!!』
涙ながらに訴える彼女の思いはその男に届いたのだろうか・・・。
見つかった時二人は、寄り添うように眠っていたという。
永遠の眠りに・・・