KINGDOM―ハートのクイーンの憂鬱―



「そうだな、まぁ、甘くなり過ぎるのが気になるって言うんなら……」


彼の自信満々過ぎる発言に、頬を引き攣らせている私になんてお構いなしに、彼がソファーの上の服を眺め始める。




……いや、誰もそこが気になるなんて言ってないから。

まぁ、似合う似合わないの話も、結局はそこが一番ネックになってるから、完璧に間違ってるとも言えないんだけど。



「それとそれを合わせて。あと、そっちのroseのベルトも」

顎に手をあてて、暫く考え込んでいた春斗さんが、テキパキと店員さん達に指示を出していく。

店員さん達も最早慣れたもので、一切動きを滞らせる事な、彼の指示に従っていく。



そして出来上がったコーディネート。


lily crownオフホワイトのニットに、可愛らしいベージュのスカート。

そして、彼が最後にチョイスした、rose crownの太めのベルト。

甘くて可愛らしい、綿菓子のようにふわふわしたイメージのコーディネイトは、私の好みにピッタリで、胸を鷲掴みされたような気分になる。




可愛い可愛い可愛い可愛い!!

思わず、年甲斐もなく、テンションMAXで飛びつきたくなるのを、何とか理性で抑えた。



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