Cats*Girl
side 克也


あー。


こえぇこえぇ。


莉々菜のキレたとこは初めてみたけど、母さんより迫力あんな…。


コンコン


「小鳥遊ですけど。」


あ、噂をすれば。


「ん…。」


俺はドアを開け、莉々菜を部屋に入れた。


「登坂、ちょっと顔見せて。」


莉々菜のほうへ顔を向けると頬に冷たいものが当たった。


「…っ…。」


なんだこれ?


「ほっぺた。
腫れてるから冷やさないと…。」


自分の頬を指して言った。


「…ありがと。」


「…そういえばなんのよう?」


「…俺のこと克也って呼べよ。」


「は!?」


だってこの家では誰でも登坂であるから。


それに莉々菜に名前で呼ばれたい…。


「嫌で…「みんなに言う。」


そういうと莉々菜は呼びます呼びますと連呼した。


「…呼んで。」


「………か…つゃ…。」


俺の名前を呼びながら下を向いていくから、莉々菜のあごを持って上にクイッとあげさせた。


「…克也。」


やけになって呼ばれた俺の名前。


まあいいか。


「あと、アドレスとケー番教えろ。」


敦也がコイツに何かしたとき。


助けられるのは俺だけだから。


「…わかりましたよ…。」


コイツはしぶしぶといったかんじでポケットからスマフォを出し、アドレスとケー番を交換した。


「…なんかあったらまず俺に連絡しろ。」


「…はいはい。」


「じゃ。」


そう言って莉々菜は部屋を出ていった。










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