会えないとき
一時間目の英語から優花はずっとさっきのことを考えていた
教科書を開きながらぼーっと一点を見つめていると
急に自分の名前が呼ばれ、優花はそれで現実に戻った
「千葉ー、ここやってみてくれ」
と英語の担任である坂田に言われ、慌てて教科書を確認する
「あ、あの、どこですか?」
と少し申し訳なさそうに聞くと
「もういい、寝てろ」と言われ
優花はムッとした表情でうつ伏せになった
授業が4時間終わったところで昼休みになり、優花は赤坂のところに向かった
それに気づいた赤坂は優花に手をあげる
「よっ」
赤坂は得意の笑顔をみせ、優花に接する
「今日、どこにいくの?」
優花がそう聞くと
「んー、じゃあ優花の家!」
と返事が返ってきた
「え?家くるの?」
「だめかな?」
「いいけど、家わからないでしょ?」
「じゃあ、一緒に帰ろっか」
赤坂は少し間を置き
「じゃあ、楽しみにしてるね!」
と言い、優花の肩を軽く叩き席へ戻っていった