会えないとき
第二章-嫉妬-
午後の授業がすべて終わり、帰宅準備をしている優花のもとに赤坂がやってきた
「優花?帰ろ!」
赤坂は笑顔でそう言った
「うん!もう準備できたよ」
「ほんと?じゃあ帰ろう」
「うん」
優花と赤坂は一緒に教室を出て
玄関まで向かう
玄関で靴を履き替え、扉をあけて外に出ると
学校の生徒が携帯をいじったり、趣味の話をしているのが目に映った
優花は赤坂のほうを少し見つめ照れくさそうに
「亮くん?」
と名前を呼ぶと
「くんはつけなくていい」
と微笑みながらそう返した
「じゃあ、亮?」
優花はもう一度名前を呼ぶと
「なに?優花」と返事をする
「え、あの、彼女とかいないの?」
「いないよ?」
「そうなんだ」
「うん、優花は?彼氏いるの?」
「ううん、いないよ」
「そっか」
2人が会話をしているところで優花の家がだんだん近くなってきていた
「うちの家、あそこだよ」
と優花は一つの家を指さした
「はじめてだね、来るの」
と赤坂はつぶやいた
「じゃあ、入って」
と優花は自分の家のドアノブを引っ張る
「おじゃまします」
赤坂はそう言って優花の家の中に入っていった