どうしても、伝えなきゃいけない事があるんだ。
002
「ごめんなさいっ。ごめんなさいですっ。」
ヘンな日本語を話すモエカの声が聞こえてくる。
相当痛いらしい。
「ごめん、ミイ。ちょっと、嬉しくって。」
「あ、ううん。大丈夫。」
戻ってきた圭くんはどうやら落ち着きを取り戻したみたい。
後ろで隠れるようにしているモエカを見ると、
痛そうにこめかみを押さえていた。
「…あれ、圭くん、手…」
視線を戻したとき、ふと目についた。
痛々しいほどに、真っ赤になっていた。