どうしても、伝えなきゃいけない事があるんだ。
そっか。モエカが付き合ってるのはかわりないんだ。
そのことにほっと胸を撫で下ろしつつ、
モエカを微笑ましく見ていると、
ノックが聞こえてきた。
ドアは返事を待たずに開く。
「ミイっ。」
あわてて駆けつけてきたのであろう、頬が赤く、
心なし窶れている。
でも、それでも、顔を見ればすぐ分かる。
「お母さん…。」
「よかった! ホントに心配したんだから! もう目覚めないんじゃないかって、心配したんだから!!」
たくさんの涙で頬を濡らしながら、言葉を繋ぐ。
「う、うん、ごめんね?」
「いいの…ちゃんと目を覚ましてくれたんだから…。」
そのあと、涙が収まるまでずっと
“よかった”
と、お母さんは呟き続けた。