どうしても、伝えなきゃいけない事があるんだ。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
こんなに心配させてたなんて…。
「…ごめんね。」
気付けばふと呟いていた。
「うん? どうしたの?」
そう言うモエカの声色は優しくて。
私はもっと口が滑る。
「心配かけて。こんなに心配されてたなんて、知らなかった。」
「ふふっ。なにいってるの。こうして元気なんだからいいんだ、よー!」
「わっ。」
若干掛け声のように最後の方をのばしながら、
私に飛び掛かってきた。
「うりうりー。」
そう自分で効果音を言いながら、
頬をすりすりすりすり…。
「って熱っ! 摩擦! モエカ摩擦熱ヤバイって!」
「どお? 必殺、高速うりうり!」
「なんて技極めてるの…。」
「ふっふー。もう、ミイはこんなに元気なんだから、
喪中みたいな空気出さなくていいの!
おばさんもね!」
病院で喪中なんて…。
そう思ったけど、でも。
「ふふっ。確かにそうね。ありがとう、モエカちゃん。」
お母さんも笑顔になって。
モエカはいつだって明るくしてくれる。
それは変わらないんだって、思った。