腐れ縁が変わらぬことを



 ドアに立つのは中学からの知り合いだった。腐れ縁の一人。

 純といると、私は私でいられた。
 変に媚を売ることも、思ってもいないことを言わなくてもいいこと、なにより安心できる同級生。

 どうしたのよ、といえば「芸術部の後輩がさがしてたぞ」と。ああ。苦笑。

 芸術部は、元美術部である。
 名前が変わったのは私が一年生のとき、当時三年生の先輩が「絵だけじゃなくて違うことも幅広くやりたい」ということてま名前が変わった。
 その先輩はよく、私に話しかけてくれたっけ。


 卒業した三年生は、私を含めて五人いた。
 とはいえ、そのうち半分は居るだけといってもいい状態であったが。






「卒業しちゃったんだねえ」

「だなあ。お前泣がねぇからつまんねえ。泣いたらからかってやれんのによ」

「何それ。泣くわけないじゃん」

「んだよなぁー」





 純こそどうなのよ。私はそう返す。

 式の最中、実はちらりと純をみていた。まっすぐ前を見ていた。昔……中学の頃は私よりも身長低かったのに、今はとっくに追い越していて。憎たらしいくらい成長していって、腹立たしくて、何処か寂しかった。





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