腐れ縁が変わらぬことを
卒業は終わりじゃない。
もちろん大学や専門学校を卒業したり、就職したって、それは終わりじゃない。
一つの区切りであり、スタートだということを知っている。
本当に終わるときは、きっと自分が死んだとき何だろうなと思う。"死"だなんて少し怖いけど、多分、そうだ。
「なあ、まひろ」
卒業生と後輩がちらつく廊下を歩きながら、いつもと何もかも変わらないといった様子で、純はいう。
「これからも、よろしくな」
「こっちこそ―――――」
終わってしまうと寂しくて、新しいスタートを思うと不安で。
変わっていく様々なモノのなかでも、純との腐れ縁が長く続けばいいいなだなんて部室の、後輩からのクラッカーを受けながら、思った。
了