イケメン王子の花メイド
——「…ほっほ、それはそれは悪いことをしたなぁ」
社長は穏やかに笑う。
…あれから、私はなんとか自力でダイニングを見つけることが出来た。
そこには既に社長がいて、
「おやおや、そんなに慌ててどうしたのかね」
なんて聞かれて、私は社長に先程のことを話したのだ。
「それは私の息子だよ」
「え!?」
しゃ、社長の息子!?
ってことはつまり、御曹司!?
し、失礼なことをしてしまった……。
「…あ、それでね」
と、滝沢社長はポンと手を叩く。
「君の叔母方に私から連絡しておいたよ。今度しっかり会って挨拶して来るからね」
そう言って笑う社長を見て、ホッと安心した。
…社長はすごいな。
私の不安を軽くしてくれる。
叔母さんのことだって、社長がいなかったら私は今頃……。