イケメン王子の花メイド
*チェリ-パイ
メイドでも
「……心配して損した」
ハアと大きく溜息をついてドアにもたれ掛かる有馬さん。
……もしかして、茜さんの泣き声が聞こえて駆けつけたのかな。
私は涙を拭って微笑んだ。
「ビックリしたわよぉ、そんな怖い顔して入ってくるからぁ」
茜さんも頬に垂れた涙を拭いながらふふふと笑う。
しかしそんな茜さんとは反対に、有馬さんはキッと鋭く茜さんを睨んだのだ。
「心配してたんだぞ」
「なんで有馬くんが心配するのよぉ〜」
「…………」
茜さん……それはあんまりですよ…。
茜さんの言葉にまたがっくりと肩を落とす有馬さんを見るも、茜さんはやっぱり状況を把握出来ずきょとんとしていた。
……有馬さんも大変だなぁ。