イケメン王子の花メイド
「あっ、あのね花ちゃん。メイドだからって諦めちゃ駄目よ」
と、有馬さんのことなど無かったかのように話を変えてきた茜さん。
ドアの方からまた大きな溜息が聞こえたけど一旦置いておこう。
「恋なんてコントロール出来ないんだから、無理に諦めようとしても出来ないしね。
私は花ちゃんなら棗様とお似合いになるだろうなって思うの」
「…え?」
い、いやでも…。
私なんかより、綾小路様の方が…。
「だって私、あんなに毎日楽しそうにしてる棗様見たことないものぉ」
「…それは俺も同感だ」
茜さんの言葉に、ドアの方にいた有馬さんも同意した。
…そ、そうなんだ…。