イケメン王子の花メイド
「だからってこんな歳の近い女の子の前でそんな格好を…」
「…分かったよ」
そう呟くように言うとくるりと踵を返して彼は歩き出した。
「ごめんね花ちゃん」
社長の言葉に、私は慌てて向き直る。
「いえ!社長が謝るようなことではありませんっ。元は私が部屋を間違えたのが悪いんですから」
…ていうか私、滝沢社長に花ちゃんって呼ばれた!
すごく新鮮で嬉しいっ。
「…君はいい子だね」
優しく微笑む社長。
も、もったいないお言葉です…!!
「あ、そうそう。君の指導係にメイドの宮本を任命したよ。これからの仕事については横山とその宮本君に聞いておくれ」
「は、はい!分かりました!」
社長の言葉に、私は大きく返事をした。
そうか。
私は新人だから、そういう指導するメイドが必要なのか。
…宮本さんって、どんな人かな。