イケメン王子の花メイド




「あれは事故というか……」




口を濁しながら言う棗様を見て、私はまた俯いた。


事故でああなったとしても、綾小路様と棗様の関係はきっと私の思ってる通りだ。

少なくとも、綾小路様は……。




「綾小路が急に俺の腕を引っ張った気がしたんだが……」




どうやら棗様の方にも何か疑問があるようで、うーんと唸りながら考えていらっしゃる。




「……とりあえず、お前が今気になってること俺に話せ」


「……え?」


「言っただろ。辛くなったら俺を頼れ」




その真剣な目には嘘は感じられません。


しかし、問題は棗様と綾小路様にあるのです。

私がそれを勝手に気にしてるだけなので…。



でも、言ってみよう……かな。




「な、棗様は……綾小路様とお付き合いしてらっしゃるんですか?」




遂にその疑問をぶつけてみると、棗様は目を見開いて固まってしまった。




< 123 / 314 >

この作品をシェア

pagetop