イケメン王子の花メイド
イケメン王子
それから私はダイニングを後にして、さっき着替えた部屋に向かうことにした。
社長曰く、そこに宮本さんがいるとのこと。
部屋の前に着いて深呼吸をしてからゆっくりとドアを開けると、中で私を待っていたであろうメイドさんが目に入った。
「あらぁ、あなたが新しいメイドねぇ」
ふんわりとした笑顔を浮かべる女性。
わあ……。
なんて可愛らしい方なんだ…!
「あ、えと…沢田花です!よろしくお願いしますっ」
「まぁ丁寧に。宮本茜です、よろしくねえ〜」
柔らかく微笑む宮本さんは、緊張していた私に安心感を与えてくれる。
そう、例えるなら
天使みたいだ。
「私のことは茜でいいからねっ。花ちゃんの指導係なんて私、テンション上がっちゃうわ~」
宮本さん、もとい茜さんはニッコリと頬を赤らめて笑う。
…わ、私もテンション上がっちゃう。
「んーと、それじゃあまずはこのお屋敷を案内しようかしら。とっても広いから、慣れない内は迷っちゃうのよねぇ」
そう言いながら茜さんは私に地図を渡した。
その地図を広げて、唖然とする。
…え、これ全部敷地?
屋敷だけでもこんなに広いなんて……凡人とはとてつもない差があるなぁ…。
「とりあえず重要な部屋を案内しておくわねー」
そうして私達はその部屋を後にした。