イケメン王子の花メイド
どうしても
叔母さんが家から出て来て、私達はあの公園へと場所を移す事にした。
久しぶりに見た叔母さんは、やっぱり少し怖い。
叔母さんも棗様を見て顔を歪めていた。
……きっと私を引き取ってくれた滝沢財閥の関係者だと言う事は察していると思う。
「……初めまして。俺は滝沢の息子の滝沢棗です。今回はこちらの勝手な判断で花さんを引き取る事になり、お詫び申し上げます」
「その件についてはもうそちらの社長さんから言われたし、もういいわ」
叔母さんは腕を組んだままそう言い、フイと公園にある湖へと目を移した。
……何から話せば良いんだろう。
でも、叔母さんが出て来てくれたって事は、ちゃんと話す気があるって事なんだよね。
だからちゃんと、
話す。
「お、叔母さんっ……」
「……」
「叔母さんは……なんでお母さんの事嫌ってたの?」
叔母さんはゆっくりと私を見た。
お母さんと叔母さんは実の姉妹なんだ。
叔母さんがお母さんを嫌うには絶対、理由があるはず。
私はそれを聞きたい。