イケメン王子の花メイド





棗様の顔を見ると、棗様は優しく微笑んでくれた。


嬉しい。

心の底から嬉しさが込み上げてくる。




……お父さん、お母さん、


私、今ちゃんと笑顔になれてるよ。

叔母さんの前で、笑顔になれてるよ。




「……それじゃあそろそろ、子供達にお昼ご飯作らないと」




叔母さんがそう言い出し、私はハッとした。




「じゃあ叔母さん、今日は本当にありがとう!」


「こちらこそ、ありがとうね。あなたも」




そう言いながら、叔母さんは棗様を見た。

棗様は軽く頭を下げる。




「じゃあまた、お墓参りの時にね」


「うん!ばいばいっ」




笑顔で手を振る叔母さんは、もう昔の面影はなかった。


心がすごく、軽くなってる。



これも全て、棗様のおかげです。




「…よし、俺らも帰るぞ」


「はい!棗様!」




私は今、幸せだ。


これからもお父さんとお母さんの分まで幸せになるからね。




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