イケメン王子の花メイド
「…なあ、宮本」
「なぁに?」
くるりと振り返って首を傾げる茜を、じっと有馬は見つめる。
そしてぎゅっと拳を握った。
「お前がこの屋敷で迷ってた時のこと、覚えてるか?」
「あらぁ、もっちろん!あの時有馬くんが泣いてた私を助けてくれたのよねぇ」
ニッコリと微笑む茜を見て、有馬は頬を緩めた。
「…お前の笑顔見てると、なんか安心できる」
「え?」
有馬は茜に近寄り、スッと茜の髪の毛に触れた。
きょとんとする茜を見下ろす有馬。
「俺はあの日、天使だと思った」
「…あ、有馬くん?」
「……ずっと待ってる」
そして有馬は優しく茜を抱き締めた。