イケメン王子の花メイド
*マドレーヌ
恋愛対象
「いやぁん焦げちゃった~!」
キッチンにて。
私と茜さんはお菓子作りをしていた。
「茜さん焼きすぎですよっ!あ、駄目ですまだ熱い、」
「きゃ!」
オーブンから焼いたケーキを取り出そうとした茜さんは案の定火傷してしまった。
茜さんとお菓子作りするのがこんなに大変だとは……。
「熱いぃー…」
「は、早く冷やしましょう!」
調理場はドタバタと騒がしい。
するとそれを聞きつけたのか、ひょっこりと横山さんが調理場に現れた。
横山さんは、社長の専属執事の方です。
「何やら楽しそうですね」
「あ、横山さん!」
「えっ!?横山さん!?」
ボッと一気に顔を赤く染めた茜さん。
ニコニコと優しそうな笑顔を浮かべたまま、横山さんは私達のもとへと来る。
「何を作っているのですか?」
「あ、リンゴのシフォンケーキです!茜さんのお菓子作りの練習を少し」
「茜くんのかい?」
「あっあの!横山さん!」
不意に茜さんが改まって横山さんを見た。
真っ赤な茜さんを見て、横山さんは首を傾げる。
茜さん?