イケメン王子の花メイド
「う、上手く作れたら食べてくださいぃ!」
茜さんは更に顔を赤くして、うぅと唸りながら俯く。
お、乙女ですね!
「おやおや私も頂けるのですか。ありがとうございます、もちろんですよ」
仏様のような優しい笑顔を茜さんに向ける横山さん。
それを見た茜さんはリンゴのようになってしまった。
が、頑張りましたね茜さん!
倒れるのはまだ早いですよ!?
「それでは私は仕事に戻りますね。ケーキ楽しみにしてますよ」
「はいぃ!すぐ持っていきます!」
そうして横山さんが調理場から去ると、茜さんはふうと大きく息をついた。
「やりましたね茜さん!」
「もう駄目ぇ……横山さんと話してると心臓もたないわぁ…」
茜さんはパタパタと赤くなった頬を冷ますべく手で仰いだ。
ほんとに茜さんは横山さんが好きなんだなぁ。
……有馬さん、ファイトです。
私も人のこと言えないや。