イケメン王子の花メイド
「なので今から横山さんに告白してくるねぇ!」
「…え、おい、」
「じゃあねぇ有馬くん!ほんとにありがとぉ!」
そうしてまたパタパタとその場を去って行く宮本を、俺は最後まで目で追った。
呆然とする。
「……なんだ、それ…」
俺にはやっぱり、何をしても無駄なのか。
宮本には、俺は恋愛対象として入ってないんだろうか。
ただの仕事仲間としてしか。
ただの昔の恩人としてしか。
俺はいつまで経っても横山さんには勝てないのか。
「……」
俺は力なく笑った。
笑うしかなかった。
…今までしてきたことが馬鹿に思える。
俺は宮本の眼中にすらなかったんだ。
…虚しいな。
果てしなく虚しい。
……もう、疲れた。