イケメン王子の花メイド
* * *
パタパタと私は横山さんのいる、社長のお部屋へと向かう。
分かってるのよ。
告白したって、フラれることくらい。
私分かってるのよ。
でも、ちゃんと後悔しないようにしないと、嫌じゃない。
立ち直れないじゃない。
だから、砕けると分かってても、告白したいの。
「あ、横山さんっ!」
ちゃんと、言えますように…っ。
「やぁ茜くん。ケーキは出来たのかい?」
「は、はいぃ!どうぞ、これ!」
「ほお、美味しそうですねぇ。ありがとうございます、後でゆっくりいただきます」
「……あ、あのぉ!横山さん!」
「…なんですかな?」
ギュッと拳を握るその手には、びっとり汗を掻いている。
手元や足が震える。
俯きそうになる。
でも私、告白するって決めたの…っ。
ちゃんと言わなきゃ…!
「わ、私っ、横山さんのことが好きなんですぅ!」