イケメン王子の花メイド
――ガチャ。
「あっ、茜さん!」
メイドルームに入ると、花ちゃんがガタっと席を立った。
花ちゃん……。
私のこと、ずっと待っててくれてたのかしら。
「…は…なちゃん…」
「茜さん…大丈夫ですか?」
「…は、花ちゃぁんっ」
私はぶわっと涙を流しながら花ちゃんに抱きついた。
花ちゃんはビックリしつつも、私を優しく抱き締めてくれる。
その優しさに私は更に涙を流した。
花ちゃん…私、頑張ったのよぉ…。
「茜さん、落ち着くまで私待ちますよ」
「うぅ~…ありがとぉ…」
大好き花ちゃん。
大好きでした横山さん。
これからもどうか、私の大切な先輩として。
よろしくお願いします。
「…私もう花ちゃんと結婚しようかなぁ」
「え、ええっ?」
あたふたと戸惑う花ちゃんを見て、私はクスリと笑った。