イケメン王子の花メイド





お金持ちばかりが通う学校で生徒会長を務めるなんて……私には想像出来ないくらいすごいことなのでしょう。


茜さんが「棗様はずっと首位をキープしてるのよぉ」と言っていたのを思い出す。



そんなすごい学校で首位を独走する棗様は完璧の二文字が本当にお似合いです。


私も割と成績は良かった方だけど、棗様とは比べ物にならないだろうなぁ。




「…花は高校をやめたんだったか」




と、不意に棗様が口を開いた。




「は、はい。学費も払えないし、もう行く意味もないと…」


「学校の友達とかは良かったのか?」


「それは本当に悲しかったですが、今も連絡を度々交わしているので!」


「そうか」




そう優しく微笑む棗様に、私はポッと頬を赤らめた。

そんな優しいお顔はズルいです。




「…そうだ。前に親父が花に洋服を買ってあげたいって言ってたんだが」


「え!?」




しゃ、社長が!?

私に洋服を!?



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