イケメン王子の花メイド
* * *
「……よし」
勉強に一区切りついた俺はペンを置いてぐーっと伸びをした。
ふと時計を見てみると、もう夜中の1時になろうとしている。
なんだかんだ集中してると、こんなにやってしまうのか。
実際勉強と言っても最終確認のようなものだったが。
あ、花。
はたと気付いて近くに座る花の方に目をやると、花は椅子に座ったまま寝てしまっていた。
……おいおい。
「お前が寝てどうすんだよ」
俺はふっと吹き出し、立ち上がった。
「……」
スヤスヤと寝入ってる花を見下ろしながら、俺は花の髪に触れる。
三つ編みに結ばれているその髪はとても柔らかくてなんだか花らしい気がした。
…いや、花らしいってなんだ。
俺はブンと頭を振って、また机の前に座った。