イケメン王子の花メイド






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そうしてテストを終えた棗様。

今日はそのテストの結果が貼り出される日らしいのです。


棗様の帰りを待っていると、棗様は馨様と共にご帰宅なされた。




「お帰りなさいませ棗様」


「ただいま花」


「花ちゃんこんにちはー」




棗様に続いて、いつもの柔らかな笑顔を馨様は私に向ける。


私は馨様にもお辞儀をして挨拶をした。




「テストの結果はどうでしたか?」


「棗は安定の1位だよー」




私がお二人に尋ねると、馨様がニコニコと微笑みながら言ってきた。



おお、やっぱり。




「おめでとうございます!」


「勉強した結果だ」


「そんなこと言って~。棗は勉強しなくても1位獲れるじゃん」


「そんな人間離れしてねぇよ」




お二人のそんなやり取りを眺めながら私は思わず笑顔になった。


やっぱり、こうしてお二人を見ていると普通の高校生に見えるなぁ。



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