イケメン王子の花メイド
「僕は生徒会長ピッタリだと思うよ、棗」
「学校の雑用をこなすだけの役だけどな」
「もーまたそんなこと言ってー」
容姿端麗で紳士的で家柄も良くて成績も良くて生徒会長で…。
うん、やっぱり何度思ってみても完璧過ぎる。
そんな完璧な棗様の専属メイドなんだから、私も少しでも釣り合うように頑張らないと。
「遠山副会長も顔は綺麗なのにねー」
そんな事を呟きながら馨様はストンとソファに腰掛ける。
続いて棗様も「性格に難があり過ぎる」と眉間にシワを寄せながら腰掛けた。
私はすぐさまお茶をお二人に用意する。
「生徒会でもずっと副会長は俺にばかり話し掛けてくるんだ。…申し訳ないが疲れる」
「へぇー大変なんだねー」
…そ、そうだったのか。
副会長だもんね、そりゃ棗様と一緒にいる時間も多いよね…。
……め、メイドの分際でこんな嫌な気持ちになったら駄目だ!
あ。
そう言えば、確か社長が私にお洋服を買ってあげたいとおっしゃってたって…。
ほ、ほんとにいいのかなぁ…。
私別にあんまりお屋敷から出ないから私服なんて今ある物で十分なのに…。
社長に買っていただくなんてやっぱり恐れ多過ぎるよ。