イケメン王子の花メイド
「…………え?」
きょとんとして私を見つめる棗様。
「あの…お着替え中に失礼してしまって…」
「…あぁ」
すると棗様はハッとして私から離れた。
…?
どうしたんだろう…。
「…棗様?」
「いや、分かった。それはもういい」
そう言いながら棗様は部屋の大きなベッドに腰掛けた。
…良かった。
この様子だと怒ってはなかったみたい。
「…花っていったか?」
ベッドに座ったまま私を見つめる棗様。
その綺麗な瞳に、ドキッとする。
「は、はいっ」
「……ふむ」
少しだけ表情が和らいだそのお顔。
私は首を傾げた。
…でも、棗様と少し仲良くなれるような気がしてきた。
これからこの屋敷で、楽しく過ごしたいな…!