イケメン王子の花メイド
「小塚森様、お茶のおかわりはいかがですか?」
「…花ちゃん…」
「おい花、なんで小塚森だけなんだ。俺もおかわりだ」
「あ、僕も〜」
「ああっ、申し訳ありません!すぐご用意致しますっ」
「…なぁ滝沢、なんでお前はそんなに花ちゃんがいいんだよ」
…えっ。
ピタリと私の動きは止まり、慌てて小塚森様を見る。
な、なんで私!?
いいい今私の話題は関係ないような気も…!
「なんでって…、花だからだ」
目を見開いて、棗様の方に顔を向けると
棗様としっかり目が合った。
「…はぁ?なんだよそれ意味分かんねー」
「意味なんてない。ただ花がいい、それだけだ」
じわぁっと体中が熱くなるのを感じる。
どこまでもどこまでも棗様は素直で、
私は今日も今日とて棗様のことが更に好きになるのです。
嬉しくて幸せで、今にも溶けてしまいそう…っ。
「わぁ、花ちゃん真っ赤だねー」
「か、馨様っ」
「どうした花、熱でもあるのか?」
「棗はなんでそこだけ鈍感なの?」
アハハと穏やかに笑う馨様。
そんな馨様の言葉に首を傾げる棗様。
…そして、その様子を見て思わず笑っている小塚森様。
きっと、一番良い結果に落ち着いたのでしょう。