イケメン王子の花メイド
「前川さんお疲れ様ですぅ!」
と、茜さんがぴょんとそのメイドに近寄った。
こ、この方がメイドチーフの前川さん…!
私は慌てて深く頭を下げた。
「あ、あの…新人の沢田花です!よ、よろしくお願いします…!」
「…あら、あなたが例の」
前川さんはまるで私を観察するように見つめる。
…な、なんて迫力のある人なんだ…。
「よろしく、私はチーフの前川です。ミスはなるべくしないようにね」
前川さんはそう言い残して、奥の部屋へと入って行った。
く、クールだ。
「ねぇ?かっこいいでしょぉ!」
茜さんはテンション高めで私の肩をペシペシと叩く。
うん…
確かにかっこいい…!
まだちょっと怖いけど…。