イケメン王子の花メイド





……え。


今……、



有馬くん……私が好きって言った……?





「……」


「もちろん、恋愛対象としてだ」


「……えぇっ!?」




ううう嘘でしょう!?


まさかそんな、


有馬くんが私を好きだなんて……!



ま、全く気付かなかったわぁ……。





「気付いてないのは知っていた」


「……わ、私……有馬くんに恋愛相談たくさんして…」


「いい。それは俺の意志でも聞いていたんだから」


「あ、有馬くんに……ずっとずっと辛い思いさせて……」


「もういい。そんなのはもういい。

…だから泣くな」





有馬くんは私を落ち着かせるように、頬を伝う涙を拭ってくれた。


今まで見たことがないくらい優しく笑う有馬くん。




有馬くんが、私を好き。


私は、横山さんが好きだった。



……せめて、気付いてあげるべきだったわね。


< 214 / 314 >

この作品をシェア

pagetop