イケメン王子の花メイド
有馬くんは表情が硬くて、きっぱりした物言いに最初は怖がられちゃうけど、
誰よりも優しくて、相手のことを考えてる。
そんな有馬くんに……皆惹かれるんだわ。
私もそうだもの。
「……私も、ここで働き続けたいわぁ」
「そういうと思った」
有馬くんの表情は穏やかで。
私は意を決した。
「……有馬くん、でも私は…、」
「分かってる。まだ横山さんが好きなんだろ?」
「……うん」
有馬くんの気持ちにはまだ応えられない。
横山さんの優しさのおかげで、こうして元気にはなれたけど、
私はきっとまだ横山さんを想っている。
自分自身じゃ、どうにもできない。
「いいんだ。今更だが、この職場で恋愛をしてしまうこと自体控えなきゃいけないんだろうし」
「う……そうねぇ」
私達がこうしてここで働いていられるのは、本当に社長や棗様のおかげねぇ……。