イケメン王子の花メイド
ドアをノックして起きないなら、部屋に入る他ない……と思う。
そしてドアの隙間から顔を出し、中を覗く。
…棗様はベッドで優雅に眠ってらっしゃった。
私は一度唾を呑み込み、眠っている棗様に声を掛けた。
「な、棗様ぁーっ。朝ですよぉー!」
しかし反応はない。
…え、ほんとにこれ朝弱いんじゃない?
どど、どうしようっ。
このあとどうやって棗様を起こせば…。
「な、棗様ぁー!」
私はドキドキと緊張しながらベッドに近寄る。
起きて下さいぃぃ!
ほんっと起きて下さいよぉぉ!!
それでも棗様は全く起きる気配を見せなかった。
……こうなったら最後の手段。